背水の陣

　わたしの会社の机の中には虎の子のロッテガーナチョコレートが入っていて、お腹が減ってどうしても耐えられなくなった時や、仕事で煮詰まって食べることでストレスを逃がさないとやっていられない気分になった時や、頭を使い過ぎて脳が栄養素を欲しがった時の為に待機している。普段はチョコレートでなく、氷砂糖や飴を食べているが、二日前に無くなって買い直していない。つまりはチョコレート背水の陣である。

　氷砂糖がなくなってから、それなりに忙しく仕事に携わっているが、引き出しの奥に手が伸びそうになる度に、これはチョコレートを開封するに足る状況か自問自答して、まだいける、まだぬるい、と我慢している。そうしたら、意外と頑張れるもんである、不思議と。

　チョコレートに手を出すと云うのが思いの外、自分に取って勇気のいることだと分かったのだけれど、それは一旦開封したが最後、なくなるまで手が止まらない自分を良く知っているからでもある。なににしろ、もう少し追い詰められるまでチョコレートには手を出さず、氷砂糖（昨日の帰路でやっと買った）で凌いで過ごそうと思う次第である。チョコレート決意表明。