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ぬるま湯につかっているよーな毎日を綴った日記。
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 iPad なあ、うーん。Kindle のそのまた前のリブリエの時から買う気はなく気にしていたのですが、本を画面で読むって実際どうなのでしょう(註:以下の話は iPad を本を読むための端末と限定して書きます。写真が閲覧できたり音楽が聞けたりするのかも知れませんが←詳しく知らない、その他の機能を乱暴に無視しておりますので、総合アイテムとして評価が高いのかも知れませんがそこら辺ご了承下さい)。

 わたしが電子書籍を不要と考え、今の本の形を尊重する理由はいくつかあります。

 本が現状の本の形をしている便利さの第一には、本体を見て話の長さが分かると云う事が挙げられると思います。これは電子書籍では分かりにくい。勿論ページ数の表示はあるでしょうが、慣れない人が「総ページ数:1984 ページ」なんて表示を見たところでどれくらいの長さの話かぱっと分からないと思います。それが本なら「厚っ! 重っ!」「薄っぺらー」と一発で長い話か短編か分かります。便利。

 そしてここからが偏愛の領域ですが、本の何がいいって装丁に凝れることですよ。電子書籍はそれがありません。文庫でもいいですがやはりここは単行本。表紙周辺の絵やフォントといったデザインは勿論、触りますよね、当然カバーの紙質を触って判断しますよね。ほんで「うわー、いい紙使ってんなあ」って欲しくなりますよね。そしてついでに装丁者見ますよね(普通は見ない)。更に電子書籍にはないであろう「帯」の推薦文も購入の動機になることがありますし。

 何より、電子書籍じゃ箔押し装丁と箱付き本は作れまい。あの豪華さにふらふらと手に取り、くらくらする陶酔感は絶対に電子書籍じゃ味わえまい。

 そして大切なのは本文も一緒です。どのフォントで行間はどれだけか、上下の余白の広さから話の密度を判断したりしますよね、本読む時。すかすかの行間だとがっかりしますよね。岩波文庫ほど詰まっているとわくわくしたり、また気分と話の内容によってはうんざりすることもあるでしょうし。そういうのがきっと電子書籍では画一化されて一ページの行数と一行の文字数が決められている面白くもなんともない画面で、ほいでその数字は自分で設定出来たりもすると思うけど、出版社が考えて決めたレイアウトを唯々諾々と受け取り読むその幸せな受け身がなくなるのですよ。ああ、あなたは嫌ではありませんか。

 今のところ電子書籍については、本の単価の引き下げと本棚の省スペース以外にメリットを全く感じないのですが、これは普及していくものなのでしょうか。あ、因みに本の単価ですが、そりゃ安いに越したことはないのですが、本当に好きなものはどんなに高価でも買いたいと思っていますので、安いことが即良いとは思ってもいません。中島敦や安部公房の文章は文庫で読めば数百円ですが、全集を全巻揃えても高いとは思いません。

 てことで、静観します電子書籍端末。ってか興味ない。文庫本って本の究極スマートなモバイル化だと思うんだが、これをそれ以上モバイル化する意味あんのかなあ。昔 PDA(SONY の CLIE)で青空文庫読み倒していたあたしなので、画面で文章読んでた経験もあるよってことで一つ。
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» 無題
諸々に同意です。
これだけ凝った装丁でこの値段、やっぱ売れっこになると違うよねえ~なんていやらしいことを言えるのも本が本だからです。あと、ややフェチっぽいですが匂いが大事です。新しい本のインクと紙の匂いとか、古本のかび臭い匂いとか、人に借りた本の匂いとか。
まあなにより電源がないと読めない本なんていらんだろう、っていうところに落ちる気もしますが。
はるひなた 2010/02/01(Mon)10:13:47 編集
» ふふふ
わたしも物としての本がすきなのでsummerさんとおなじ結論かな。

検索機能が使えるのでよさそうですが、わたしの場合、本の厚みのどのあたりの左右ページのどこらへん、という形で覚えているので、あいまい検索に関しては本のほうが上です。

あと、数冊分のデータを持ち運んであっちよみこっちよみしたい人には便利かもしれませんね。
2010/02/01(Mon)13:01:35 編集
» 本好き
>はるひなたちゃん
ああ、分かります、売れっ子の凝った装丁。タイトル文字が盛り上がっていたり、斜めから見ると背景に細かく図柄が刻んであったりすると、ちょっとひがんだ気持ちになります。そして羨ましいなあ欲しいなあと思います。
本の匂いもいいですよね。新しい本のページを繰る時に、裁断して紙同士が軽くくっついているのをぺりっとはがす感触とかたまりません。フェチです。

電源のこと、すっかり忘れていました。そうか、電気切れると読めないんだ。対する本のディスアドバンテージは、周りが暗いと読めないことかな?

>ゆ様
視覚で覚える方なのですねー、同じです。このシーンはどの辺り、と云うのを探すときは、本を見開いた時の文字の配列を白黒画像に変換して、記憶をたどったりしますよね(変態か)。

何か対応する複数冊の本を比べながら読みたい時などは確かに便利かも知れません。それと、この装置が読書自体の裾野を広げるような効果を持つのであれば、それはそれで歓迎なのですが……。

でも電子書籍から読書に入った人は、紙の本に来ないような気もしたりしなかったり。

個人的には、書籍の携帯が滅びなければ、電子書籍さんには何をやって頂いてもオッケーなのかも。
summer 2010/02/02(Tue)22:20:38 編集
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